2024年のプロ野球シーズン、パ・リーグ西武ライオンズの松井稼頭央監督が成績不振に伴う休養に入り、渡辺久信ゼネラルマネージャーが監督代行を務めることとなりました。
その西武ライオンズの渡辺監督代行が、自チームの選手へのデッドボールに対し、相手チームへブチギレるという一幕がありました。
渡辺監督代行は、過去に西武ライオンズの監督として指揮をとっている時期にも、度々相手チームとの乱闘騒ぎに発展するシーンが話題となっていました。
今回、なぜ相手チームへブチギレてしまうことに発展してしまったのか、また、過去に乱闘騒ぎとなったシーンについてもまとめてみましたので、紹介します。
西武・渡辺久信監督代行がデッドボールにブチギレた試合
渡辺監督代行がデッドボールを受けてブチギレた試合は、2024年8月24日の東北楽天ゴールデンイーグルス戦でのシーンです。
スポニチの記事によると、西武1点リードで迎えた8回裏の攻撃、前打席でホームランを放っている好調の佐藤龍成選手が、楽天のリリーフ・酒井知史選手からデッドボールを受けてしまいます。
佐藤選手は前日の試合でもデッドボールを受けており、渡辺監督代行は激怒した様子でベンチから飛び出し、本塁ベース付近で今江監督らに詰め寄ります。
写真引用元:スポニチ
最終的にはコーチ陣が止めに入り、楽天の後藤武敏コーチや渡辺直人コーチなど、元西武勢を中心に周囲がなだめてその場は収束するものの、場内は騒然となっていました。
結局試合は西武がリードしたまま勝利となり、渡辺監督代行の気迫に後押しされ、チーム一丸となった成果であることが伺えますね。
スポーツ報知の記事によると、デッドボールのシーンに関して、渡辺監督代行は「狙ってる訳じゃないと思いますが、当てちゃダメなシチュエーションですよね」と対戦相手に苦言を呈すコメントを残しています。
デッドボールを受けた佐藤選手も、監督代行が真っ先にベンチを飛び出し抗議してくれたことに関して「守ってくれてるじゃないですけど、うれしかったです」と感謝のコメントを残しています。
前日から続けてのデッドボールを受けていることや、ホームランを放つなど好調を維持している中軸の選手へのデッドボールとあって、渡辺監督代行としては許しがたい出来事であり、選手を守るということを一番に考えての行動だったのでしょう。
西武・渡辺久信監督代行は過去に何度も乱闘騒ぎをもたらしている
今回のように、楽天戦で渡辺監督代行が激怒し対戦相手のチームに詰め寄るような出来事は、最近では珍しいケースとなるかもしれません。
年齢層も若い監督が増えてきていることもあってか、監督が激怒しながら抗議に出るというシーンもあまり見かけなくなりましたよね。
渡辺監督代行に関しては、今回の乱闘騒ぎに限らず、相手チームに激怒し、乱闘騒ぎに発展したケースが過去に何度か発生しています。
過去の試合において、どのようなシチュエーションで乱闘騒ぎがあったのか、AERA.dotの記事を参考に、代表的な乱闘騒ぎのケースを3つ紹介します。
2008年4月30日 対福岡ソフトバンクホークス戦
2008年シーズンから、西武の監督就任早々、渡辺監督は親子ほども歳が違う王貞治監督相手に舌戦を挑むという驚くべき行動に出ます。
ソフトバンクの先発・大隣憲司選手は、途中まで西武打線をパーフェクトに抑えていましたが、突如コントロールをみ出すなど乱調に陥り、ブラゼル選手、GG佐藤選手に連続デッドボールを与えてしまいます。前日のソフトバンク戦でも2つのデッドボールを受けており、大久保博元コーチが声を荒げると、捕手を務めていた山崎勝己選手が西武ベンチを睨み返してきたようです。
その瞬間、渡辺監督は鬼の形相でベンチを飛び出し、山崎選手に詰め寄ります。
その後も先頭打者の細川亨選手が大隣選手からこの日チーム3つ目のデッドボールを受けたことから、ついに両軍ナインが飛び出し乱闘騒ぎに発展してしまいます。
ナインが揉み合いになる中で、王監督から渡辺監督に対し
「誰も当てたいわけじゃない。先頭打者への死球なんて(故意では)絶対にない」
「死球も野球のうち。若い投手だし、試合で練習させなきゃいけないんだ」
と説明するも、渡辺監督は納得しません。
「逆の立場ならどうなんですか。練習なら2軍でやってほしい。1軍の神聖なマウンドで投げさせないでください」
と、球界のレジェンドの王監督にも物怖じすることなく舌戦を繰り広げます。
大久保コーチも慌てふためくほどの出来事だったようで、大久保さんが運営しているYouTubeチャンネルにおいても当時のことが語られれいます。
大久保さん曰く、渡辺監督が王監督にまで啖呵を切る行動に出たのは、「家族を守る」という感覚のもとでの行動だったと語られています。
チームを束ねる監督として、選手=家族を守るという考えは素晴らしい行動ですね。
2011年7月11日 対オリックスバファローズ戦
デッドボールを与えられた選手以上に、渡辺監督がかなりヒートアップし激怒した試合です。
その時の映像がこちらです。
8対1と西武が大量にリードしている場面、中島裕之選手が高宮和也選手から左脇腹に死球を受けたことに激怒。中島選手はバットを放り投げて、マウンドに突進します。
両軍ナインが揉み合いになる中、オリックスの山田勝彦コーチが中島選手を非難する声が渡辺監督の耳に入ったようで「わざとじゃないにしたって、ぶつけたほうがごちゃごちゃ言えることじゃない」とブチギレ、山田コーチに「まだ言ってんのか!こっちに来い!」と挑発する言葉を投げかけるなど突っかかっていきます。
大柄な渡辺監督を数人の選手、コーチで取り押さえ、何とか事なきを得たようですが、試合後も「よくわからないクソガキが何か言ってるから」と怒りが収まらないようなコメントを残しています。
2013年6月27日 対東北楽天ゴールデンイーグルス戦
星野仙一監督が指揮をとる楽天戦においても、星野監督と掴み合いに発展する乱闘騒ぎを起こします。
その時の映像がこちらです。
試合は大量リードを許しての9回の攻撃中、打席はスピリー選手、相手投手の小山伸一郎選手が投じたボールがスピリー選手の背後を通過する形となり、両者が睨み合い距離を縮めていくと、両軍ナインがベンチから飛び出し、もみ合いに発展します。
監督同士ももみ合いの中心に入り込み、監督同士が胸を突き合わせるという過激な展開に陥ります。
しばらく両者睨み合いの状態が続き、試合が4分ほど中断したそうです。
両監督が睨み合いの状態になるには、いくつかの伏線があったようです。
楽天のジョーンズ選手が、オリックスの山崎浩司選手に対し、併殺を防ぐために強烈なタックルをかまし負傷後退をさせたり、そのジョーンズ選手への報復としてオリックスの山本淳投手から報復とみられるデッドボールを与えるなど、どうやらお互いに怒りのボルテージを上げさせるような行為があったようですね。
まとめ
今回は渡辺監督代行が相手選手からデッドボールを受けてブチギレてしまった経緯や、渡辺監督代行に関する過去の乱闘騒ぎについて紹介しました。
プロ野球という真剣勝負だからこそ、打者を抑えようとする気持ちが、デッドボールや危険な行為に及んでしまうことはよくあることだと思います。
ただし、デッドボール等については、その後の選手生命に影響を及ぼすような重大な怪我やトラウマに発展する可能性もあるだけに、監督の立場からするとなるべくその危険からは排除したいという想いを抱いていることでしょう。
今回、楽天戦で渡辺監督代行がブチギレた行動や、過去にも乱闘騒ぎを起こしているという背景には、監督の親心によるものと強く感じます。
今は監督代行という立場ですが、渡辺監督代行の指揮のものでプレーしている西武ライオンズの選手は、渡辺監督代行の親心を意気に感じ、熱き心を持って残りの試合を全力で戦って欲しいものです。
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