2022年シーズン、完全試合をはじめ、13者連続奪三振や1試合19奪三振といったプロ野球の常識を覆す記録を達成した、千葉ロッテマリーンズ・佐々木朗希選手。
画像引用元:東京新聞
「令和の怪物」と称されている佐々木朗希選手ですが、2024年9月15日に行われた試合で、佐々木朗希選手が投じた球が相手チームの打者の頭部に当たってしまい、危険球退場処分となってしまいました。
佐々木朗希選はメジャー挑戦を視野に入れているものの、2024年シーズンは怪我による離脱もあり、これまでファンが期待するような成績を残すことができていません。
今シーズンに向けての契約更改交渉においても、球団に対しメジャー挑戦を訴えてきた佐々木朗希選手ですが、このままの成績でメジャー挑戦をして大丈夫なのでしょうか?
また、佐々木朗希選手に対するメジャースカウトの評価や、メジャーにいつ移籍するのか気になる方も多いと思います。
今回の記事は、危険球退場となってしまった試合の詳細や、2024年シーズンの成績を踏まえ、メジャー挑戦して大丈夫なのか、メジャーへの移籍はいつ頃になるか等、佐々木朗希選手に関する情報をまとめました。
ロッテ・佐々木朗希のプロフィール
登録名/本名 | 佐々木 朗希 |
ふりがな | ささき ろうき |
生年月日 | 2001年11月03日 |
年齢 | 22歳 |
身長 | 190cm |
体重 | 85kg |
出身地 | 岩手県 |
投打 | 右投げ/右打ち |
経歴 | 大船渡高-千葉ロッテ(ドラフト1 ’20~) |
獲得タイトル | (月間MVP)’22年3、4月度 |
ロッテ・佐々木朗希が危険球退場となった試合
スポニチの記事のとおり、ロッテ・佐々木朗希選手が危険球退場処分となってしまった試合は、2024年9月15日の埼玉西武ライオンズ戦です。
※この試合は、2024年シーズン限りで現役引退を表明している埼玉西武ライオンズの金子侑司選手の引退試合でした。
立ち上がりからストレートやフォークなどの制球に苦しみ、打ち取ったあたりの内野安打や味方のエラーなど、アンラッキーなことも重なり、3回までに3点を失ってしまいます。
その後は立ち直り、6回までノーヒットピッチングを披露しますが、7回の先頭打者・野村大樹選手に投じたフォークボールがすっぽ抜けてしまい、野村選手の頭部に当たるデッドボールを与えてしまいます。
画像引用元:スポニチ
これが審判により危険球と判断されてしまい、佐々木朗希選手は危険球退場処分を受けてしまいました。
結局、後を受けた吉田凌選手が西武の打線の勢いを止められず失点を重ねてしまい、そのまま敗戦。
佐々木朗希選手が敗戦投手となり、金子選手の引退試合に花を添える形となってしまいました。
佐々木朗希選手は、「申し訳なかったです」と野村選手への謝罪を表し、悔やまれる投球内容を振り返っていました。
ロッテ・佐々木朗希の2024年シーズンの成績
佐々木朗希選手の2024年シーズンの成績は、危険球退場となってしまった9月15日の試合終了時点で、16試合に登板し8勝5敗、防御率2.56という成績です。
途中、上半身のコンディショニング不良による登録抹消が2回ありましたが、復帰後は先発投手として無難な数字をおさめている形です。
完全試合や奪三振記録を残した2022年シーズンから、2024年シーズンまでの成績を次のとおりまとめました。
登板数 (=先発数) | 投球回 | 奪三振数 | 奪三振率 | 与四球 | K/BB | |
2022年 | 20 | 129.1 | 173 | 12.04 | 23 | 7.52 |
2023年 | 15 | 91 | 135 | 13.35 | 17 | 7.94 |
2024年 | 16 | 95 | 109 | 10.33 | 31 | 3.52 |
※2024年は9月15日終了時点の成績
気になるのは奪三振と与四球の数字です。
2022年から奪三振数が年々減少傾向にあり、奪三振率も2022年の12.04から2024年は10.33と数字を落としています。
さらに、与四球数も例年に比べて増加しており、K/BB(投手の制球力を示す指標。奪三振÷与四球)も7点代後半と高い水準をキープしていた数字が、2024年は3.52と下降しています。
2024年の佐々木朗希選手は、三振が奪えず、コントロールに苦しんでいるシーズンを送っていることが、成績の数字から読み取れますね。
怪我からの復帰ということや、相手チームから研究されていることなど、様々な要因が存在するかと思われますが、本来の佐々木朗希選手のピッチングではないことは確かです。
ロッテ・佐々木朗希のメジャー挑戦は大丈夫なのか?
佐々木朗希のメジャーへの夢
日刊スポーツの記事によると、佐々木朗希選手のメジャー挑戦は、野球を始めた小さい頃からの夢であると入団前から表明されています。
画像引用元:日刊スポーツ
そして2023年シーズン終了後の契約更改手続きにおいても、改めて将来的なメジャー挑戦への思いを伝えています。
各チームの選手が続々と2024年の契約更改手続きを済ませる中、佐々木に関しては2月のキャンプイン直前まで、12球団唯一の未更改となっていました。
契約更改がキャンプイン直前となったのは、契約更改交渉の場で、球団側にメジャーへの夢を一貫して伝えてきたことが理由のようです。
日刊ゲンダイにおいては、契約更改交渉の場でメジャー移籍をめぐり、佐々木朗希選手側と球団側が揉めてしまい、交渉が泥沼化したという記事もあるほど、佐々木朗希選手のメジャーへの想いはかなり強固なものであることがわかります。
それでも、佐々木朗希選手は「目の前のシーズンを大事にしたい」というコメントも残しており、まずは日本のプロ野球において満足のいく成績を残してから挑戦したいという想いもあるのでしょう。
メジャースカウトの佐々木朗希に対する評価
佐々木朗希選手が登板する試合には、多くのメジャースカウトが視察に訪れており、佐々木朗希選手に対する評価は高いことが伺えます。
日刊ゲンダイの記事によると、故障から復帰登板となった9月1日の西武戦には、ヤンキース、マーリンズ、レイズ、カブス、パイレーツ、カージナルス、パドレス、タイガース、ブルージェイズ、ドジャースなどのスカウトが視察に訪れたようです。
その試合は、5回72球を投げて3安打1失点で勝利投手となりますが、三振があまり奪えず、物足りない成績です。
しかし、スカウトの間では、
- 故障明けの復帰登板で球速160キロを計測したことは、不安がなくなっていることの証拠である。
- 佐々木朗希選手の「危機管理能力」であれば、もし不安があれば登板間隔を空けて様子を見ればいい。その間に身体も完全に出来上がってくる。
と評価しており、現在の佐々木朗希選手の状態には心配していないようです。
しかし、スカウトの中で最も危惧されているのは、佐々木朗希選手の度を超えた「危機管理能力」のようです。
佐々木朗希選手は、2024年シーズンで「右腕のコンディショニング不良」により2カ月近くも2軍調整するなど、2度の戦線離脱となっています。
メジャーにおいて、選手やファン、メディアの間で共感されるのは「自己犠牲」の精神。チームのために懸命にプレーできる選手が支持されるようになります。
先発ローテーションを度々離脱してしまう選手はあまり良い印象は持てないようで、佐々木朗希選手のように長けた「危機管理能力」が発揮され、度々先発ローテーションを離脱するような選手は、メジャー関係者からは疑問符が浮かんでしまう対象となってしまうかもしれません。
今シーズンの戦線離脱の状況や、佐々木朗希選手の「危機管理能力」を踏まえると、スカウトの評価としても評価が下がってしまう要因となってしまいそうですね。
ロッテ・佐々木朗希のメジャー移籍はいつ?
佐々木朗希選手のメジャーへの想いと、ロッテ球団の佐々木朗希選手への想いが交錯し、いつメジャー移籍となるかは読めない状況が続いています。
佐々木朗希選手がメジャー移籍するには、現時点で海外FA権を取得していないため、ポスティングシステムを利用しての移籍が選択肢として存在します。
しかし、ポスティング移籍を認めるかどうかは、ロッテ球団の判断となります。
ロッテ球団としても、活躍する選手がメジャーに挑戦することについては後押ししたいという考えは見せているものの、佐々木のポスティング移籍を容認できない理由が存在します。
日刊ゲンダイの記事によると、仮に佐々木のポスティング移籍を認めたとしても、25歳まではマイナー契約しか結べず、2024年で23歳になる佐々木は、現行ルールではメジャー契約はできないことになります。
直近でメジャー契約をした山本由伸選手は、ドジャースと12年総額455億円の大型契約を結び、入札にかけたオリックスバファローズには70億円超の譲渡金が入りました。
一方で、マイナー契約の場合は3億円程度の契約しか結べず、譲渡金も5,000万円前後になってしまい、その差を考えると当然容認し難い状況になるでしょう。
譲渡金という実入りが減るというビジネス的な観点も理由として存在しますが、それ以上にロッテ球団は、まだまだ佐々木朗希選手自身が育成段階ということで慎重な姿勢を貫いています。
平均急速160キロに届こうかという剛球投手なだけに、他の選手と比べて肩や肘への負担が大きくなることに加え、メジャーの先発投手では最低でも中5日のローテーションで回らなければならず、故障のリスクが増大します。
ただでさえ、日本でも体のコンディション不調を訴えることが多く、メジャーで活躍していくために、あと数年は体力も経験もしっかり準備をしてから挑戦してほしいというロッテ球団の想いもあるようです。
佐々木朗希選手の夢を後押ししたいという反面、球団の運営面や佐々木朗希選手の成長を想った上での現状であり、なんとも言えない状況ですね、、、
まとめ
今回の記事において、佐々木朗希選手が危険球退場となってしまった試合や、近年の成績、メジャー挑戦への想いなど、佐々木朗希選手に関することについて紹介してきました。
2022年に完全試合や奪三振記録を達成した時のような佐々木朗希選手の活躍を、これからも観たいというファンの方が多いと思います。
ただし、2024年シーズンは思うような成績が残せておらず、9月15日の試合も危険球退場処分となってしまうなど、苦しい投球が続いている印象です。
佐々木朗希選手自身も、怪我もあって思いもよらぬシーズンとなってしまっているかもしれませんが、夢のメジャーリーグへの挑戦に向け、なんとか残り試合を復調し、本来の佐々木朗希選手の投球を見せてもらいたいですね。
ロッテファンとしても、佐々木朗希選手の将来のメジャー挑戦を応援したいところです。
しかし、まずはロッテを優勝に導いてくれるような成績を残し、佐々木朗希選手自身含め、誰もが納得する形でメジャーに送り出してあげたいというのが、ロッテファンや球団の正直な想いではないでしょうか。
まだまだ若い選手ながら、危機管理に長けていることは素晴らしい能力ですが、メジャーで共感される「自己犠牲」の精神を掲げ、まずはロッテのために全力でプレーしてもらいたいですね!
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